質問掲示板サイトを見ていると、貸し別荘の「貸」という字から、貸し別荘は「貸家・借家」の仲間と思われている方が少なからずいるようです。業者の中にも「借家法・定期借家法」を根拠に貸し別荘を営業されている方もネットサーフィンをしていると見かけるように思われます。

 では、貸し別荘は、「借家・貸家」なのでしょうか。

 結論から申しますと、「借家・貸家」ではなく「宿泊施設(旅館業法簡易宿所営業等)」になります。一見別荘の建物を貸すだけならば「借家法・定期借家法」でもよいように感じられますが、借家法を根拠とすることは以下の理由から違法行為の可能性大といえるのではないかと思います。

 たまたまA市保健福祉センターの関係部署で話を聞くことができました。それによると、

 1 長期・短期にかかわらず、お客様を泊めて収入を得ると旅館業となる。
 2 借家であるなら、純粋に建物だけを貸すことになる。
   宿泊のためのサービスや設備・布団などを提供することは、お客様を泊めて収入を得ることになる。

  と言うことです。これは、消防設備を扱う業者からも同じ回答を得ました。月単位、年単位の貸し出しも旅館業の許可が必要で、「長期は賃貸」という解釈も誤解とのことでした。

 「借家法・定期借家法」も関係法律をよく読むと、宿泊施設と同じように営業をすることは無理があることが分かります。例えば、何ヶ月も前からの契約解除の告知や期間を定める場合は、公正証書等の契約書の作成義務(但し定期借家法法第38条第1項)などです。そもそも1泊程度のものに、公正証書を作ったり、家具も設備も布団もないがらんとした部屋に泊まるなど普通は無理ではないでしょうか。

 しかし、私がもっとも問題だと思っていることは、お客様の立場に立つと上記の違法性がまずお客様には分からないだろうということです。特に、「許可を得ていない貸し別荘」がyahoo japanの貸し別荘のカテゴリーや宿のリンク集などに登録しHPを公開すると、お客様は完全に「宿」「宿泊施設」と思い込みます。無理もないことです。
 
 どういうことかというと、例えばyahoo japanの「貸し別荘」のひとつ上のカテゴリーを見てください。「宿泊施設」となっています。「宿泊施設(引用 ウィキペディア)とは言うまでもなく旅館業法の許可を得た施設です。ここに借家法を根拠にした貸し別荘なら、借家なのですからここには登録できないはずです。(yahoo japanは、営業許可まではチェックしていませんし、できないでしょう。)

 これでは、お客様は宿泊施設でないものを宿泊施設と思い込んでしまいます。国産のウナギを売っているコーナーに外国産のウナギを紛れ込ます「偽装」と同じといわれても仕方ないかもしれません。借家法を根拠に別荘を貸す場合は、不動産仲介業をあたるべきだと思われます。

 お客様の中には、別に違法の可能性があっても安ければそれでいいという方もいるでしょう。しかし、反対に違法の可能性があるものにはかかわりたくないというお客様もいるでしょう。そのような方のために、混同を防ぐ手段として、宿側は旅館業営業許可の内容をHPで公開するなどしてはいかがでしょうか。

また、借家法を根拠とした貸し別荘なら、「当貸し別荘は借家であり、宿泊施設ではありません」という但し書きが必要でしょう。よく似たような商品には、誤解を防ぐためよくこのような正し書きを見かけますね。

 近年、食品の産地偽装がニュースになっております。業者にとって都合がいいから偽装をするのでしょうが、別に同じような野菜なら産地を偽ってもかまわないということであればニュースにはならないでしょう。宿泊施設とばかり思っていたものが、実は業者は許可を得ていなかったと、もし分かってしまったときのお客様のお気持ちはどのようなものでしょう。実害がなければいい、ばれなければいいということなのでしょうか。考えてみる必要がありそうです。

[注意] 上記の内容は、保健所等の見解を元に、十分注意して書きましたが、万一の誤判断を考え断定を避けております。
     ひとつの意見としてごらん頂き、最終的な判断はこの文を読まれた方の判断でなさってください。よろしくご了解願います。


 チェックポイント  旅館業法の許可を取っていない貸し別荘は、違法の可能性大。
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